(成功事例・エース社員の方のインタビュー)小さな異変にいち早く気づく。品質の高さを支える製品試験の仕事

サンエー
須田遼平
地方にいながら世界で戦えるセンサーづくりに携われる株式会社サンエーに魅力を感じ、2015年に入社。約10年、商品開発部の尿素開発グループにて尿素水品質センサーの製品試験に携わる。

世界中の様々な気温環境に適応する製品を作る

−サンエーに入社した理由を教えてください。

大学では情報系の学科でプログラミングを勉強していたのですが、就職は実家のある島根県に近い会社を探していました。様々な会社を見る中で、サンエーは地方から世界で戦えるセンサーを作っていることに魅力を感じ、入社を決めました。

−サンエーの尿素水品質センサーの技術はご存知でしたか?

知らなかったです。就職先を探す中で初めて知って、驚きました。仕組み自体はそこまで複雑ではないのに、世界の環境改善に役立つ技術になるということが、素晴らしいなと感じました。

−商品開発部の尿素開発グループではどのような仕事をされていますか。

尿素水品質センサーの製品試験に携わっています。例えば60度や70度など高温の環境に置いて、どのタイミングでセンサーが壊れ始めるかを試験し、異常箇所や原因を調べます。尿素水品質センサーは世界中のディーゼル車に設置されているため、様々な環境での試験が必要です。また耐久性を調べるために、長期的に試験を行うこともあります。製造部とやり取りし、問題点の改善のための試作品を作ることもあります。

−サンエーの尿素水品質センサーは高精度と耐久性を追求していますよね。

はい。センサーにはぐるぐる巻いてある「モジュール」と呼ばれる部品がありますが、これは尿素水が凍ってしまった時に解凍する機能を担っています。このパイプに温かい液を流し込むことで、尿素水を素早く解凍するものです。尿素水は凍ってしまうと正しく測定が出来ませんが、搭載されるディーゼル車が寒い地域を走行することがあるので、いかに素早く解凍できるか、その性能を高めるために試験や改善を重ねています。

数年かけて、不具合の原因と対策の発見を目指す

−仕事のやりがいはどのような時に感じますか。

製品の不具合の原因がはっきり分かった時と、その不具合に対する対策がハマった時はやりがいを感じます。対策が見つかるまでの期間は数年です。長い期間、原因や対策が分からない時は大変ですが、やり遂げると達成感がありますね。

−製品試験の仕事にはどのようなスキルが求められますか。

試験では多数のデータが出てくるので、その中から小さな異変をいかに敏感に気付けるかが重要だと思います。製品のどの部分に異常が発生しているのかを見つけるには、知識も必要です。私も10年近く携わっていますが、まだまだ勉強することが多いです。

−印象に残っている仕事・プロジェクトはありますか?

数年前に新製品開発のリーダーを務めたことが印象に残っています。他部署も巻き込みながら資料の作成をお願いしたり、進捗管理をしたりしたので、今までとは違う視点が求められました。プロジェクトの全体的な流れを把握して他部署と会話しなければならないので、勉強しなければいけないことも多く、大変でしたね。

−大変だと感じた時、どのようにして乗り越えましたか。

全てを一気にやろうとせず、優先順位を整理して、まずは今日やるべきことをしっかりやることに努めました。製品の開発段階を1つ1つクリアしていって、製品が量産されるところまで行った時は本当にホッとしましたし、やっていて良かったなと感じました。

嬉しかったのは、お客様からの「よく勉強しているね」という言葉

−お客様から言われて印象に残っている言葉はありますか。

「よく勉強しているね」と言われたことです。前任者からの引き継ぎにあたって、製品のことや、これまでのお客様との経緯を出来るだけ調べてから打ち合わせに臨むようにしました。ある程度知識がないと、何が分からないかも分からないですよね。だからできる限りの準備をするようにしているのですが、それを認めていただけたことが嬉しかったです。

−仕事をする上で大切にしていることはありますか?

何をするにしても、相手の目線に立つことを大事にしています。資料を作ったりメールを送ったりする時にも自分の知識や立場を当たり前にせず、相手が分かるように伝えるように心がけています。一度聞いて分からなかったらもう一度聞かなければいけなくなるので、そういった手間がなくなると良いなと思っています。ただ分かりやすさを意識しすぎて資料が長すぎてしまうこともあるので、いつも試行錯誤しています。

−プライベートはどのように過ごされていますか。

3歳と6歳の息子がいるので、息子たちと遊ぶことが多いです。先日は、家族で岡山に旅行に行きました。疲れている時でも息子たちと話していると疲れを忘れますし、リフレッシュできます。

−須田さんの今後の目標を教えてください。

今は完成品の試験に携わっているため、基盤の回路の部品や、図面を作る構造設計についてなど、製品が出来上がるまでの知識もつけていきたいと思っています。そしてゆくゆくは、新製品の開発に役立つ知識とスキルを身につけた人材に成長していきたいです。